シュバルツアイゼン・クリーガー ぷくまる殿

設定:「さて、新入社員君。ちょっと見せたいものがある。付いてきてくれ。」
    ここではただ『主任』と呼ばれる少年が、新入社員歓迎会の途中、唐突に切り出した。
    「え?…はあ…」
    新入社員、ラリー・ピースは、黙って付いていく事にした。一番無難だろう。
    ついてみると、何のことは無い。備品格納庫だった。
    『主任』の機体、『シュバルツアイゼン・パンツァー』や、『サタディナイトスペシャル・PSSカスタム』が並んでいる。
    「これがどうかしたんですか?」
    「いや、そんな格式ばらなくてもいいよ。敬語も使わなくていいし、べつに明日から、私服でも構わない。…まぁ、それはいいとして」
    そういうと、『主任』は懐からカードを取り出し、さらに壁の一部をスライドさせた。
    暗証番号のキーと、カードを読み取る機械が並んでいた。『主任』は、手際よくキーを押し、カードをすべらせた。
    一瞬の間の後、壁が開いた。隠しドアのようだった。『主任』につづき、中に入っていく。
    中に置かれていた物を見て、ラリーはぎょっ、とした。カートゥーンなら、下あごが地面まで落ち込んでいる。
    「ち、ちょっと、これ…!」
    漆黒の鎧を身に纏った、鋼鉄の肌を持つ巨人。左腕はキャノン、右腕が大型のマニュピレータ。あきらかに違法の、人型機動兵器だった。
    「ああ。PSS-RA-1.5『シュバルツアイゼン・クリーガー』。新しく配備されたRA。まあ、よっぽどの事じゃないと使わないけど、…よっぽどの事が起こるんだよねぇ…」
    タイミングよく、電話ががなり始めた。おなじみの、ひしゃげたシンバルの音だった。
    「そらきた。…はい、Ps総合警備課です。依頼ですか?はい…、はい…。うわ、そうですか、分かりましたぁ〜。では、いまから向かいますので。それでは〜。」
    『主任』が微笑んだ。いや、微笑む、とは言っても唇の端を歪めただけの奇妙な笑みだったが。
    「銀行強盗が、人質をとって立てこもってる。なんとかしてくれ、か。
     よし、君はそこの『サタディナイト』に乗ってくれ。君の実力も知りたいし、…アイヒマンは、上で酔いつぶれてるからね。俺は…、こいつに乗ろうか」
    と言って、『シュバルツアイゼン・クリーガー』を見上げる。目がぬらり、と光ったような気がしたが、気のせいだろうか?
    コクピットを開く。一次胸郭が開き、人の肋骨のような二次胸郭が開く。狭いコクピットに滑り込むと、二次胸郭が順に閉まり、最後に一次胸郭が閉じる。
    いつの間にか、巨大な剣を持っている。マニュピレータも伊達ではない。ごああ…と低い音を立てて、『黒鉄の重装騎士』は産声をあげた。
          『あ〜、あ〜。不毛な抵抗は止めて、さっさと投降しろ!オフクロも故郷で泣いてるぞ!』
    車外スピーカの音量を最大にして、『シュバルツアイゼン・クリーガー』がどなっていた。正確には、ユーザーの『主任』が。
    『誰が「はい、投降します」なんて言うか!しかも、どこまで古典的なんだ!クソ○○○野郎〜!』
    犯人が、『サタディナイト』の上でどなり返してくる。しかも、筆舌しがたい言葉で罵られた。…最後の糸が切れた。堪忍袋の緒、という名の。 
    『…そうか。ならこちらにも、手はある。…三つ数える!それまでに投降しろ!』
    『な…ッ!?』
    流石に、狼狽の色が見える。が、投降する気はないらしい。
    『EINS!』
    じゃき、と左腕のキャノンを構える。同時に、剣を地面に突き立てる。とんでもない威圧感だった。 
        『う…うわ!だ、誰が投降なんてするか!』
    声が裏返っていたが、やはり投降はしないようだ。
    『ZWEI!』
    刹那、火薬の炸裂音が響く。キャノンが発砲された。バカな!まだカウントは2のはずだ!
    そして同時に、両腕を前へ突き出し、両肘に装備されたマシンガンを乱射した。とたんに、粗悪な『サタディナイト』は蜂の巣のようになる。
    『この野郎ッ!』
    奥から、もう何体か同様の『サタディナイト』が出てくるが、
    『うおぉおらぁっ!』
    気迫一閃。片手に持っていた剣の横薙ぎの一振りで、粗悪品どもはすべて屑鉄と化す。
    これで、すべてが片付いた。自然に、笑みがこぼれる。横で、ラリー君が困ったような顔をしていた。

え〜と、Ps-COMPANYの機体2機めです。全然知らないような人名も出てきますので、ちょっと。アイヒマンは、『アルマジリジウム』に写っている人です。
ラリー君は、05fun.netに投稿した、ザコロボ黄色い方に乗ってた人です(笑)。ついでに、『サタディナイトPSSカスタム』は、この黄色い方です。
わあ、長くなってしまいました。すいません〜(TT







by ぱぢる
重量級騎士タイプの雰囲気ばっちりですね(^-^) どっしりとした下半身に長いスカートがよく似合ってます、 全体的にプレート表面を見せる造詣が、 重なり合った騎士の装甲の雰囲気を思い出させてかっこいいです! 黒と茶のカラーリングも素敵! ..2002/11/27(Wed)16:11
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by カヅィ
出た!ぷくまるカラー! まさにディスクワリファイダーmk-2って感じ! 重量級ええなぁ、上手いです。 やっぱしスカートの付き方が良いと思います。 凄く気持ちよく4面に装着されててイイ感じです。 ハッチ部分の火星人の手パーツがまるでアバラ骨のように 微妙に露出している点も見逃せない。 しかも設定!気合入りまくり!熱い!!! 『横で、ラリー君が困ったような顔をしていた。』 で締めくくるトコにセンス感じます。 ただ武装(下から2番目の画像の剣)は 絶対もっと作り込めると思います。(偉そうでスマン) ..2002/11/27(Wed)17:30
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by hitorimagma
アームパーツ大好きとしてはコクピット内部のアームパーツの使用の仕方が好きデス。騎士ロボといえば装甲形状の楽しみ…と勝手に思ってるのでこのロボの下半身の大型装甲を見てると嬉しくなりますね(笑) ..2002/11/27(Wed)18:34
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by SS FACTORY
重装甲型で恐ろしく強そうです! 薄型の頭部の選択が、尚強さを誇張してますね。 しかも下半身がTHE-Oみたいで、絶対ホバリングしそうです! ..2002/11/28(Thu)11:20
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by lb
ドカッとした騎士ですね。こういうのもカッコイイなぁ。地上を滑りながら移動しそうですね。 ..2002/11/30(Sat)18:46
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by はくしゃく
設定長いッス(笑)。 大型装甲、足に使われたニクル部品もバランス的にマッチ、 肋骨の作り込みもカッコイイです。重装甲なのに肋骨が 敢えて見えるようになってるのも「見せるモデル」を意識 されてるなぁ、って感じでポイント高し。 黒と茶の、カラーリングはドッシリしてるんですが、 個人的には、なんだか「明治時代の二階建ての旅篭」という やたら具体的に連想してしまうものがあって困りました(笑)。 カヅィさんは厳しめの評価ですが、幅広の斬馬刀は、 期待のイメージに合っていて、私的には付属させただけで 合格!って感じです。^^ ..2002/12/14(Sat)21:31